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Ian knot の弱点は、足の甲の締め付けが上手くできないことですが、
この動画の結び方だと、足の甲を締め付けながら結ぶことができます。
結び目で重要な最初の交差は、この動画の場合は右側の画像のようになっています。
右手の位置、左手の位置、回転方向など、最初の交差が逆の場合は、全て逆で結んでください。
紐を持ち換えるときは、動画のサムネイルのように右手が手前になるように指を向かい合わせます。
指を合わせたら、右手は上に、左手は下に少しズラしながら紐を持ち換えます。
左手の親指にある紐を右手の指で持ち上げながらつまんで、右手の人差し指にある紐の下側を左手の指でつまみます。
そのまま、紐の張り具合を調節しながら結んで完成です。
最後に下側の紐を引っ張って「増し締め」すれば、さらにゆるみづらくできます。( ↓ のウラ技参照 )
========== 靴紐の蝶結び(ちょうちょ結び)について ==========
蝶結びのメリットは、何度でも簡単にほどくことができるということです。
カタ結びをほどくのは、かなり大変ですからね。
ここでご紹介する Ratchet knot も、何度でも簡単にほどくことができる結び目です。
紐と紐とで結ぶ蝶結びと違って、さらに紐通し片も使って結びます。
紐通し片や代用できるプレートが無ければ結べませんが、とりあえず見てください。
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動画でもご確認ください。
簡単にほどけますし、蝶結びよりも結び方が簡単です。
紐通し片には、通してるだけで交差はしていません。それを折り返して、2回巻いただけの簡単な結び目です。
蝶結びのデメリットとして、勝手にゆるんでほどける・・・というのがあります。
この原因は 「羽根」 です。 羽根の無いカタ結びと比較すればわかりやすいですね。
この Ratchet knot には 「羽根」 が無いので、勝手にゆるんで・・・ということがないわけです。
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「フックがあればいちいち結ばなくていいから便利だろう」と、誰でも思いますよね。
でも、それはあくまで想像。 実際はこんなことになって、全然ダメです・・・。
羽根が邪魔だし、結び目の存在感が邪魔ですね。
羽根が無い Ratchet knot なら(右の画像)、全く問題ありません。
そもそも、何度でも簡単にほどいて結び直せるのが蝶結びですから、フックは必要ない・・・ですね。
便利な蝶結びに便利なフックを組み合わせても、超便利にはならないのです。
Ratchet knot の場合は、ほとんど邪魔になりません。 動画でどうぞ。
両側のループを中央に寄せる形態のこのフックは、履き心地がとてもいいです。
ループの2段の紐で締めるので、ベルトで締めたような安心感もあります。
このフックと Ratchet knot の靴、履いてみるととても便利です。
でも、履いたことがないから、こんなにいいのに誰も知らないんですよねぇ・・・。
さらに、Ratchet knot には「 微調節 」という機能があって、これがかなり便利です。 動画でどうぞ。
ほどくときの応用で、ミリ単位での微調節が、誰でも簡単に確実にできます。
蝶結びでも調節はできますが、簡単に、確実にとなると、雲泥の差ですね。。
世の中には様々な結び目がありますが、それらは「紐と紐を結ぶ」「紐をモノに結びつける」のどちらかです。
この Ratchet knot は、「モノを使って紐と紐を結ぶ」という結び目になります。
案外、新しい発想かもしれません。
例えばこのようなプレートがあったとして、紐と紐を結ぶならプレートは不要です。
プレートに結びつけるなら、左右別々に結ぶことになるから二度手間です。
Ratchet knot は、紐通し片やプレートを使って結ぶことで、簡素な結び目になりました。
紐通し片やプレートに引っ掛かかること、圧縮されることで、結び目の維持に必要な作用が生じています。
また、折り返しの羽根の構造が無いのに、Ratchet knot はほどくことができます。
これは、Ratchet knot 独特の機能です。
勝手にゆるむ原因が無い。
これは結び目にとって、けっこうスゴイことだと思います。
さらに、ラチェットという特殊な機能を応用して、蝶結びではできなかった
足の締め付けを「簡単」に調節することができることも、大きな特徴です。
これまでの蝶結びでは使うことのできなかったフックが、Ratchet knot なら有効に機能する。
これは「進化」だと思います。
========== 蝶結びの構造とウラ技 ==========
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カタ結びのヒモの両端を折り返し、ほどくことができるよう細工してあるのが蝶結びです。
蝶結びは、カタ結びの部分と、折り返した羽根の部分とで構成されています。
そして羽根には「締めるための部分」と、「ほどくための部分」とがあります。
画像の、上側の交差から伸びた「紫」と赤」が「締めるための部分」で、紐の端に伸びる「緑」と「青」が「ほどくための部分」です。
Ian knot でも普通に蝶結びをするときでも、「羽根」を引っ張っていると思います。
ですが、「紫」と「赤」のヒモを引っ張るほうが直接的で、効率よくきつい結び目にできます。
「羽根」を引っ張って上側の交差を引き絞っても、下側の交差はゆるいままです。
右側の画像のように指ををかけて引っ張って下側からも締め付けると、より「きつい結び目」にできます。
この2点だけでも少し気を遣って結ぶと、蝶結びをグレードアップできます。
結んだ後に、下側から締めている動画です。
========== 蝶結びの構造的な欠点 ==========
交差・折り返し・交差 というのが、カタ結びを構成している3要素です。
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カタ結びの真ん中に折り返されたヒモが通る蝶結びは、結び目がヒモ2本分膨らんでいます。
折り返しは折れ曲がりのようになり、折り返しの作用が低下しています。
右の画像は、交差の横幅が狭く圧縮されることで交差の作用が高まることを示しています。
結び目が大きく膨らむと圧縮も弱くなるので、交差の作用も低下しています。
ほどくための羽根という構造を追加した蝶結びは、構成要素そのものの作用の低下を生じています。
========== 蝶結びの構造的な欠点 …2 ==========
左の画像に注目してください。
激しい運動により靴が脱げるような力がかかるとき、結び目には強い張力がかかります。
下側のヒモに張力がかかると、上側の交差をゆるめるような張力が生じます。
蝶結びそのものにある「ゆるみやすい構造」、そして「ゆるんでしまう構造」。
結んでおくだけなら問題ないのですが、靴に使用するには問題ありすぎです。
紐靴の蝶結びが勝手にゆるんでしまうのは、もはや「必然」であると言わざるを得ません。
========== 蝶結びの面倒なトコ ==========
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引き絞ったヒモが戻らないようにしながら・・・、それでミリ単位で調節しながら・・・。
それを毎回、玄関とかで結んでいるわけです。
さらに、玄関で脱いだ靴ヒモは、他の靴に踏まれて汚れて傷んでいます。
勝手にほどけた時も反対側の靴で踏まれて、汚れて傷んで、しかも危ない。
関連ブログ参照
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========== 最後に・・・ ==========
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サッカーでも野球でも、フックなどの金属をシューズ甲部に使用することは禁じられています。
しかし、このように裏返してしまえば紐の下に隠れるので、ケガなどの危険性はほとんど無い・・・と思います。
紐靴は、とても優れています。
その履き心地は、マジックテープなどとは雲泥の差です。
子供達が、紐靴を履いて、結び目がほどける心配などせずにスポーツを楽しむ。
そのためにも、もっと紐靴は進化するべきだと思います。
詳細はこちらのブログで
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